書評7回目 kk-その2【パラドックス13】東野圭吾
運命の13秒。人々はどこへ消えたのか?
13時13分、突如、想像を絶する過酷な世界が出現した。陥没する道路。炎を上げる車両。崩れ落ちるビルディング。破壊されていく東京に残されたのはわずか13人。なぜ彼らだけがここにいるのか。彼らを襲った“P-13 現象”とは何か。生き延びていくために、今、この世界の数学的矛盾(パラドックス)を読み解かなければならない!
張りめぐらされた壮大なトリック。論理と倫理の狭間でくり広げられる、究極の人間ドラマ。
******************
『ラプラスの魔女』もそうでしたが、世界を数学的にみて、しかもそれが読者にもわかりやすく表現されている作品だと思います。
次々と崩壊していく世界に、次はどう展開するのか、この人の運命はどうなってしまうのか、ページをめくる手が止まりませんでした。むしろ、早く先のお話が読みたくてうずうずしてしまうほど。しかし、読み飛ばしてはいけない、がまん、我慢・・・と自分の読書速度にもどかしさを感じました。
もしこれからお読みになる方は、夜更かしをしてもいい晩に、もしくはゆっくりとした休日に読むことをお勧めします。止まらなくなるからね!!
登場人物も老若男女、イケメンから怪しい人まで実に様々な人が出てきます。
命の重みや生存の取捨選択、一瞬の判断が命取りになったりハラハラドキドキです。
***
すこしネタバレをいたしますと、
国会議事堂すげーとなります。
お兄ちゃんちょっとそれは超展開な発想じゃないかい、と突っ込みたくなります。
読み終わった後、これは通常ENDで、どこかにTRUE ENDがあるんじゃないかと探したくなります。
抜群のエンターテイメントでしたが、個人的にはラストにもう少し救いが欲しかった。
でも、人は物語の人物が極限状態だからこそ魅力を感じるのかもしれないし、そこは難しいところですね。
kk
0コメント